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広富林古文化遺跡

2020.09.29

私たちが皆さんへご紹介するのは家やオフィスだけではありません。上海での生活を充実させるには、休日をいかに過ごすかも大切です。そこでホームページ内に「Life Stayle〜上海周辺余暇情報〜」のコーナーを設置。上海又は上海周辺の穴場的・隠れ家的スポットを紹介し、お仕事の疲れやストレスを癒やしていただけたらと思います。第一回目は「広富林文化遺跡」をご紹介します。

 

上海と言われると外灘に立ち並ぶ欧風建築を思い浮かべる方が多いのでは? 上海の街の歴史は意外に新しく、1845年のイギリスの租界になったのを皮切りに現在の上海の街並みが形成され始めました。それ以前の上海は小さな漁村。その事実は「魚を捕る道具」の意味の“沪”が上海の略称になっていることにも名残を留めています。

一方で、上海西部の松江区には約5000年前の新石器時代から明代までの遺跡が残された広富林文化遺跡があります。1950年代に発見され徐々に発掘が進められてきました。「先有松江史,再有上海滩」の言葉が示すように、上海の歴史は松江区から始まり、現在の上海中心部へ移り変わっていったと言えます。
実は5000年以上の歴史を誇る上海。その黎明の地・広富林を見てみましょう!

 

湖に浮かぶ伝統建築の中に、広富林の歩みが再現

広い園内に入ると伝統建築を模した建物が水に浮かぶ光景に驚くはず。明代の文献に水の景観が記されていたことから、水辺を活かした自然公園として整備されました。広富林の全景を眺望したいのなら、龍源路からがおすすめです。

湖に浮いている切り妻屋根が印象的な広富林文化展示館。水中に隠された5000年の歴史の旅へ出かけましょう!

 

唐の建物を模した三重の富林塔、仏教の知也禅寺、道教の三元宮と立ち並び、池に映る逆さの塔や青空が美しい

 

園内には博物館、散策コース、仏教や道教のお寺、朵雲轩という有名書店などが点在。上海の長い歴史を楽しみつつ、時には水と建物が織りなす幻想的な景観を楽しんだり、書店でお茶を楽しみつつ読書してみたり、都会の喧騒を離れたゆったりとした時の流れる休日を過ごせます。それでは、まずは文化展示館からご紹介します。

 

新石器時代から始まる5000年の歴史と出逢う

館内で最初に出会うのは再現された発掘当時の様子。順路に沿って進むと石器時代から近代までの街の様子が再現されています。遺跡から出土した漢代の陶器や馬の塑像なども展示されており、太古の時代から人々がこの地で生活していたことを実感できるでしょう。

上海の歴史の流れに沿った展示になっており、時代ごとの生活風景の展示も多数。歴史好きや考古学マニアは必見!

 

1950年代、この場所で大規模な古代遺跡が発見されました。当時の発掘の様子を再現しています。

 

約5000年前の新石器時代後期には既に広富林で人々が生活。当時の生活風景が蝋人形や造作物で紹介。

 

展示館の後半は清代~戦前の時期、人々の生活から街並みの様子までも再現されています。

 

古陶芸術館へは富林塔から入館。大汶口文化から唐宋まで、様々な時期の500以上の古陶が陳列。

 

伝統ある書店・朵雲軒へ

広富林の歴史を満喫したら“朵雲軒”へ。上海で1900年(清・光緒26年)に創業された当時は、文房具を中心に経営していましたが、現在は上海名地での書籍販売が経営の中心。店舗には各々の特徴があり、広富林の店舗は中国文化を重視しています。江南地区の白漆喰の壁で彩られた店内には中国古代の画、文房具が多数。店内で読書しながらお茶を楽しこともできます。また本格的にお茶を楽しむのなら“黒渡口”という茶室がおすすめ。園内散策で疲れた足を、ゆっくりと休めてください。

書籍だけではなく伝統古建築うだつの解析や書道の道具まで、伝統的な商品が満載です。

 

今回ご紹介した広富林はいかがでしたでしょうか? 古北エリアから車で約1時間、地下鉄やバスを乗り継いで約1時間40分程でアクセス可能です。お住まいから少し足を伸ばして、日常とは全く異なる光景の中での“余暇”をお楽しみください。

 

DATA
    • 名称:広富林古文化遺址
    • 住所:上海市松江区広富林路3260弄
    • 交通:地下鉄「松江大学城」駅まで、松江98路(又は松江15路)を乗り換え、「華東政法大学」駅まで降り、徒歩2分程地下鉄「松江大学城」駅まで降り、タクシーの場合は料金は16元~20元程
    • 電話:021-5780-0000
    • 価格:平日40元、休日50元(学生、65歳以上平日20元、休日25元)

※朵雲軒に入るのは予約制のため、事前にQRコードをスキャンしてください。