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馬勒別荘

2021.02.10

多彩な表情を持つ上海の歴史を感じるなら、豪華な洋館を訪れるのもおすすめ。市内には歴史ある建築物が多く残存。それぞれ異なる建築様式や装飾がされており、東洋と西洋の文化が融合した独特の雰囲気が漂っています。旧フランス租界地区にある洋館を眺めていると、この地ならではの歴史の流れを感じつつ、異国情緒あふれるエリアの魅力を体感できます。今回のLIFE STYLE~上海周辺余暇情報~は静安寺エリアにある馬勒別荘をご紹介。都会の喧騒に疲れ、静かに休憩したいときなどに訪れてみてはいかがでしょう。

 

まるで童話の世界のようなお城に入り込み、夢のようなひとときを過ごす

上海市陝西南路30号に位置する馬勒別荘は、北欧風情が溢れるガーデン別荘。現在馬勒別荘は中国国内唯一の一類近代保護建造物をリニューアルしたホテルであり、上海初のブティックホテルとして営業しています。総面積は約5000平方メートル、別荘内のガーデン面積は約2000平方メートルと広大なものです。2001年1月から衡山集団により管理され、小型の逸品ホテルに改築され、現在は「衡山馬勒別荘飯店」とも呼ばれています。

細部まで目の行き届いたインテリアに抱かれ、優雅さとくつろぎを体感

建造当初、この別荘の主人は英国籍のユダヤ人マーラーでした。ある日、彼の最も寵愛する末娘が見た「アンデルセンの童話のようなお城」を持ったという夢を実現させるべく、マーラーは巨資を投入し、一流の建築家に設計・施工を依頼。1927年から1936年まで9年間をかけて童話世界のように美しいお城を完成させました。別荘内にいると、子供時代に読んだアンデルセンの童話の世界が現実のものとなったかのように感じられます。

敷地内に佇むのは、微妙に色合いの違う赤レンガをモザイク上に嵌め込み、さらに、一段ごとに黄・青・赤のカラフルなレンガで飾った大屋敷。洋館上部の先頭は光輝く金色で、突出した窓の上にも全てトンガリ屋根が付いています。このトンガリ屋根の塔は、北欧ノルウェー建築の特徴です。しかし、大門は2本のスマートな柱のようですが、中国風の鳥居型の門にも見えます。本館は三階建てで、入口が中国の伝統的な豪邸のごとく、弓なりにカーブしている階段の両端に一対の中国式の獅子像が置かれ、玄関のドアの上には小さな可愛らしい屋根がつけられています。

非常に複雑な模様が彫刻されたアーチ状の扉やモザイクスタイルの床など随所にこだわりが見えます。当時の建築家が趣向を凝らしたデザインに現代でも魅せられます。

本館の内装は船をモチーフにしたデザインで統一。ローマ風の支柱、西洋の鐘や厨子など、中国風のものと西欧風のものが入り混じりながらも、不思議と見事に調和しています。

リビングの中央には、当時の張り地をそのまま残したアンティークソファーが置かれています。窓は全て逆U字型でステンドガラスが嵌め込まれ、日差しの下で美しい色彩が現れています。

鏡台などの家具は全て壁に固定されていて、繊細で色鮮やかな手描き粉彩磁器や、欧米人や日本人観光客に人気の青花陶磁器などが並べられています。

屋敷内には大小合わせて106の部屋があり、室内のインテリアに飾られている全ての木彫りの装飾品には、海上の船隊風景が彫られています。床にまで海草や昆布の図案が綴り合せられて、海の趣が感じられます。

屋敷の中のドアは全て船倉風のもの。階段も非常に複雑な構造で全て曲がりくねっており、上に行けば行くほど狭くなります。回廊や通路には化粧板が施され、所々に木彫りの装飾品が貼られています。

まるで童話の世界に飛び込んだような雰囲気の中で、おすすめのイギリス風アフタヌーンティーを満喫。正に至福の時間!まるでイギリス貴族の気分を満喫できます。

 

延安高架道路を虹橋方面から一路東へ進むと、且に飛びこんでくるのはまるで童話の世界に出てくるようなヨーロッパ調の美しい瑠璃瓦建ての三角屋根。これが馬勒別荘です。一度、子供時代に夢見た童話の世界を楽しんでみてはいかがでしょう?

 

DATA
          • 名称:馬勒別荘
          • 住所:上海市静安区陝西南路30号
          • 交通:地下鉄1号線「陝西南路」駅2号出口から徒歩10分ほど。
          • 電話:021-62478881

     

  • ※上海市政府からの指示に基づき、当ホテルは「全館禁煙」となりました。ご理解・ご 協力を何卒宜しくおねがいします。
  • ※館内のレストランは上海料理となります。